食べるというサイン

人間は食事という文化を持っている。
「エサを食べる」という表現を使わない。



食事とエサの違いは極めて重要だと思う。





エサってのは動物が空腹を満たすのみに行う行為。
人間が行う食事っていうのは、おなかを満たして活動に必要なカロリーを摂取するだけという動物的な行為では収まらない意味を持っているはずだ






何を食べたい、何を食べたくない、
食べ過ぎちゃう、食べたくない、


これらは心と身体からのサインだ。
食欲というサイン。






心と身体からのサインを受け取れなかったり無視したりするのは
自分を大切に扱って居ないと言う事であり、
不満やストレスが蓄積に拍車を掛けかねない。



サインを無視して
頭で良い思っているものを無理に食べたり、
欲しているものが悪いものだったりするときに
与えないって言うのは一見、健康的に見えるしダイエットになるのかもしれない。


だけど、満足できないなら代替のもので何とか満たそうとするから
結局は食べる量が増えて、体重も増えていってしまうことになる。



食べたいこと、食べてしまったということを悪い事だと
思いすぎてしまうのは危険だ。


食欲にも食事同様に
食べ物をお腹に入れれたいという以上の意味があるとしたら
しっかりとサインを吸い上げてじぶんを満たしてあげなきゃいけない。




頭でカロリーや健康の事を考えるのではなく心と身体からのサイン、つまり自分の内側は何を求めているのか?という事を聞ける能力が必要なのかも。





食事にも食欲にも
しっかりした意味があるということを
私達は再認識しなければならない
のかも。





効率化社会によって、モノゴトが滞りなく流れる事が求められている。
その中でブレーキとなり得る可能性が高い感覚・感情を排除する事を強要されてきた。


結果的に精神疾患が爆発的に増えた。


失くさないと社会に適応できなかったのかもしれないが
本当の豊かさの為に、感情・感覚といった、個々人が感じている心と身体からのサインを感じて受け止めていく事が、これからの豊かさを考えていく時に重要な要素になる気がする。








☆☆


職場であなたを困らせる病的人格者たち (こころライブラリー)

職場であなたを困らせる病的人格者たち (こころライブラリー)


(山脇由貴子/職場であなたを困らせる病的人格者たち)参考引用






人間には「特殊飢餓」というものがあります。
身体に不足している栄養素を自然に欲するというものです。


疲れた時に甘い物がほしくなるのは血糖値が下がっているからであり、
身体が欲しがっているものを本人にちゃんと教えてくれているのです。




ですが、私達は普段、自分が本当に欲しいものをちゃんと考えて食事をしているでしょうか。



そもそも、本当に空腹に成らないと身体は欲しいもののサインを発しては
くれません。

なんとなく惰性で食べ続けていたり、お腹はすいていないけど昼だから食べようと食べ、もったいないから、と満腹以上に食べ、そして何となくお菓子を食べ、夜も、お腹はすいていないけど、夜だから食べよう、なんて食べていると、何でもいいから食べよう、という状態になってしまって、
本当に必要なもの、求めているものは食べず、でも、満腹感だけ
は得るという毎日の繰り返しになってしまうのです。





満たされているはずなのに、満たされない。
心も同じだと私は思います。



心も、欲しいものを欲するサインを持っているはずです。
でも、身体以上に真剣に自分の内面と向かい合わないと私達は自分の心が欲しがっているものに気づけません。


そもそも、私達は日々、やるべきこと、そしてやるべきだと思い込んでいることに追われていて、
自分の心が何をほしがっているか、自分が今、何をしたいのかに気づけていないことが多いものです。










☆☆


ダイエット依存症 (こころライブラリー)

ダイエット依存症 (こころライブラリー)


水島広子/ダイエット依存症/講談社)参考引用



食欲は「感じる力」の一つです。
一般に、食欲が落ちればどこかに具合が悪いのではないかと思うものですし、何かの病気を患った後、食欲が回復してくれば「もう大丈夫だ」などと言われるものです。




そんなときの食欲は、
生命力のようなものを表して
いるのだと言えます。





食欲は、量だけが指標になるのではありません。
油っこいものが苦手になるときは、身体が弱っていることも多いというのは良く知られた話です。





また、精神的に健康なときは、
比較的によいものを「おいしい」と感じ、
精神的に不健康になると、身体に悪いものを「食べたい」と感じる傾向があります。
ですから、ジャンクフードを好んで食べたいと思うような時には、
自分の精神状態を見直してみる、という形で
食欲の「感じる力」を生かすことができるのです




何となく食べる量が増えてしまうような時もあります。
このようなときに、私達は食べてしまった自分を責めがちです。



そして、食欲をコントロールしなければ、体重を減らさなければ、と
焦ってしまいます。







しかし、「何となく食べる量が増えてしまう」モードが続いているときには、食べてしまう自分に罪悪感を抱くことがさらに食べる量を増やし、
さらに罪悪感が増す、という悪循環に陥っています。




何となく、つまり空腹でも無いのに食べてしまう、ということは、
精神的な満たされなさやホルモンバランスなどによって心身が不安定な状態になっていて、それが食べるという行為に向けられているということです。





ところが、「食べた」ということだけに注目し、それに対して「悪いことだ」と評価を下し、そのレベルでコントロールしようとしてしまうと、
解決しないどころか悪循環に陥ってしまいます。




空腹でも無いのに食べてしまうときは、
体型が気になるときと同じで、自分が何らかのケアを必要としている時です。