母親のせいじゃない!!


母親が子供にとって最も大切な存在である。
子どもの健全な発育の大部分を握っていて最も影響を与える。






っていうのは間違いない。













母親が強く持っている母性性によって子どもを受容する。
母性性に包まれながら信用してもらう喜びを感じ、
相手を信じれるようになる。




「あるがままを受け容れる」という母性性による愛着関係が
その人の人間関係の全ての基礎部分になっていくし、
もし基礎部分がきちんと整備されていなければ、
自分の価値や感覚の分からない不安定な自我しか育たず
生きづらさを抱えてしまうだろう。




だから、母親の存在が子育てによって極めて重要だという事実は
疑いようは無い。















しかしながら、なんでもかんでも
「養育発育の問題は母親のせいだ!」っていう風に
母親に責任の全てがあるかのうように振舞って押自分たちの現実から
目を背ける
のは、もう止めましょう。




子どもの発育に著しい不具合が見られるってのは
母親だけが悪いなんてことはありえない。



子どもが抱えている問題は家族全体の問題。
もっと言えば、大人の抱える葛藤が子どもに伝播するという”不幸な感染”が起きている状態なのだ。





このことについてはコチラに綴ったとおりだ。






それに、子どもに余裕を持って接するには
周りのサポートが必要だ。





母性性にしか与えられないモノがあるからこそ
子育てという舞台に気持ちよく母親が上げれるように
夫を初めとした家族の助けるが必要なのだと思う。




母親が子どもに上手に働きかける事ができないってのは
母親をサポートできない、母親だけが子育てを抱えている状態を作り出している家族全体の問題なのだ。
















☆☆









水島広子/焦らなくてもいい!「拒食症」「過食症」の正しい治し方と知識/日東書院本社)参考引用




焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識

焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識





・母親の育て方が原因、という考え方には注意






摂食障害は、生育環境の影響を確かに受けるものです。
しかし、生育環境を母親ひとりが作り出すということは、
あり得ません。




確かに子どもに対して母親が及ぼす影響は絶大ですし、
それだけ大切な存在だということは事実です。



同時に完璧な母親などどこにもいないことも事実です。













母親が自分の弱点を子どもに向けるような育児しかできなかったのはなぜか、ということを考えていくと、決して、
母親ひとりの責任だといえるようなことはありません。






サポート態勢がなかったり、周囲が母親を追い込むような構造になっていたりするのです。





例えば、母親が色々な困難を抱えていたとして、
父親はそのことを批判するだけで助けようとしなかったら、
子どもは父親を嫌うと同時に、






「人間は完璧で無いと批判される」
「人間は、所詮は自己中心的で、困った人を助けないものだ」





という部分だけを強く覚えていきます。













欠点があっても、トラブルがあっても、
受け容れあっていけるという人間模様を見て育った子は、
「少しでも太ると自分の価値が下がる」と
思いつめるような人には育たないでしょう。



病気になったのは母親の育て方のせいだ、と
いってしまうと、母親が治療に効果的に参加できないばかりか、
関係者に再び同じ傷をあたえらえっることになってしまうのです。
















それでは病気は治りません。














☆☆






(依存症の真相/星野仁彦/VOICE)引用







家族とは
それぞれの構成メンバーが複雑な人間関係を織り成して形成する
有機的な組織体(システム)」である、と考えます。



したがって、メンバーの1人である子どもが不登校になった場合、
それは母親が過保護的、過干渉的に接した事が原因だ!といった、
従来の医学モデルに見られる
「直線的な因果論」は用いません。




子どもに現れた精神病理や行動障害は、
母親にもならず過程という環境(エコシステム)全体の歪みが原因であり、子どもはそのスケープゴースト担っていると考えるのです。














たとえば、
祖父母の発言力が強く、
実験を握っているのある家庭では
祖父母が子供の母親が意見を軽視して
孫の養育に口を出してきます。



しかも父親は
祖父母に反抗したり、自分の妻である母親を守ってあげる事をせず
「逃避的な中立」の態度を決め込みます。



すると母親は
家庭内で孤立して精神的に不安定になり、その結果、
子どもへの養育態度が偏り、
時にヒステリックに叱責したり、
逆に母子密着したりすることになります。




このように育てられた子どもは
過保護的な母親からの心理的乳離れができず
社会性と自我の発達が未熟となってしまい、




不登校や非行へと繋がっていきます。



すると、祖父母は
「母親であるお前の育て方が悪いからこうなった」と
一層母親を責めるようになり、
原因となった家族病理が強化されることがあります。







このように
「循環的な因果論」で考えるのが、
システム論なのです。