病人は病人として


風邪なら、何度か経験しているし
恥ずかしくないから、ちょっとした合間に通院できる。
あるいは、通院しなくても、薬が無くても
眠って安静にしていれば治ってしまうこともある。









けど、心の病はどうだろう。







放っておいたら、どんどん悪化していくばかりだ。
自己治癒力ではどうにもならない。


免疫とはまた違った要素が再生には必要だからだ。










もしも、気のせいと放っておけば
心の病の”症状”として自分が弱くなっている部分に対しても
「自分はダメなんだ…」と、自己嫌悪が強まってしまう











認めたくない、誰にも言いたくない、恥ずかしい…っていう気持ちを持ってしまうのは仕方が無い。


けれども、病人なんだって受け容れることをしないと
治療は何も始まらないし結果的に長期化、複雑化してしまう。









悲しいけれど、病人なんです。
病人の役目はたった一つ。




病気を治すこと




治すためのステップを少しずつ歩んでいくこと。
そして、また自分の人生に健全に戻っていくこと。






だから、病人な自分を否定することは止めて、
未来の為に束の間、立ち止まってみませんか??














☆☆






水島広子対人関係療法で治す社交不安障害/創元社)参考引用








「自分が人間として弱いせいだ」と思い込んできたことが単なる病気の症状であったことを理解することが出来ます
し、
周りの人たちも「どうしてあんなに弱いんだろう」と
イライラしていた認識を改めることができます。






こうして不要な罪悪感や苛立ちを亡くす子だけでも治療的ですし、
なんといっても、病気として認識することによって
治ると言う事がわかり、どういう治療を受ければいいのかが明らかになります。




「どうしようもない」のではなく「
何かができる」ということになるのです。









まず理屈を頭で理解する。
簡単には受け容れられないけれども、そういう理屈があるのだということを「知る」ことは第一歩です。



それが本当に受け容れられるようになるときに、
病気も治ると考えても良いでしょう。





それくらい、徐々に進んでいくプロセスなのです。




また、病気と能力の混同もやめる必要があります。
今までに「やりたいこと、やるべきこと」がうまくできなかったのは、
本人に能力がなかったからだけではなく、
病気の症状が強かったからです。





自分を責めるのをやめ、病気として認識し、
「治療を受けて治す」という選択肢を知ることは、
新たな世界観につながるでしょう。









☆☆





(泉谷閑示/ダイヤモンド社/クスリに頼らなくてももウツは治る)

クスリに頼らなくても「うつ」は治る

クスリに頼らなくても「うつ」は治る





風邪が治るとは、
風邪を引く前の状態に身体状態が戻ることを指すわけですが「うつ」を「風邪」に喩えてしまいますと、同じように発病前の状態に戻ることを目指すようなイメージが作り出されしまいます。






これが、うつの再発再燃を引き起こしている大きな要因の一つだと考えています。
見事な治り方をされた方たちが例外なく、発症前までの自身の生き方や考え方について、かなり根本的な見直しをされているという点です。





うつからの本質的な脱出というのは、
元の自分に戻ることなのではなく、モデルチェンジしたような、より自然体の自分に新しく生まれかわるような形で実現されます。
修理のような治療では、どうしても再発リスクを残してしまう限界があるのですが、リボーン(生まれ変直し)とでも言うべき深い次元での変化が「治癒」には不可欠です。