摂食障害を長引かせる、たった一つの理由






摂食障害
なかなか治りにくいのは疾患の難しさの他にも
患者が自助努力を怠っている部分があるからではないか。


ツライ状況にもかかわらず治療に積極的にならない理由は
何なのか。何が怠らせるのか。









それは、『病気になったのは自分のせいじゃない』という
間違った解釈
の仕方にあるのではないだろうか。






























■原因に踊らされているのは自分












原因を作っている原因はあるとしても、
原因(痩せなきゃいけないと考えてしまうこと)を
結果(考えに基づいて行動すること)に結び付けているのは自分以外にはありえない。


誰かのせいで自分の行動が作り上げられていることは、
もう仕方のないこと。
その行動が間違っていると気づけたら、それを是正していくのは
原因の原因を作った人物ではなく、ここに居る自分でしかない。





家族環境に問題がある人が全て摂食障害を患うわけではない。
あるいは痩せたい気持ちを持っている人が全て摂食障害とは無縁だ。







じゃあ摂食障害を長引かせる原因は何だ…




痩せたい気持ちを行動に表す自分だ。












■痩せたい気持ちを実行に移す姿勢が摂食障害を生む









「自分が強い意志で毎日を、
生活をコントロールすればそれが目に見えた形でね、
 痩せてスリムな身体を手に入れたいということから
 どんどん離れていって
 痩せることが目的になっていった。
 スリムになるかどうかは関係ない」


「自分が自分をコントロールできる快感が
 数値が減っていくことで見えていくから」








このような発言にあるように
原因を利用して症状に留まろうとしているのは
自分の意思でしかない。
家族が悪いなんてのはお門違いも甚だしい。





ダイエット願望すら両親のせいにしていた。
しかし、責任転嫁も甚だしい。
周りを見渡せば、何に付けても
「痩せろ痩せろ」という風潮が蔓延している。



ダイエット願望の原因は明らかだ。
摂食障害になったのはある忌みで社会の被害者であるとも言える。


しかしながら「社会の問題」として捉えることで
注意したいのは
「私は何も悪くないのに、世の中の風潮のせいで病気になってしまった」と思うのは
危険だと思っている。

世の中がどうであるか、ということと、
自分の今の症状を治すこととは、話が別。












■患者様、ではない。




そう考えると
患者とは呼ばないほうがいいのかも。


依存症者といえなくも無いが
発症者。発症者というと、しっくりくるかも。


発症してるけど、
ウイルスが飛んできて被害に遭ったような病気じゃなくて
原因は痩せようとしている自分なのだ。
自分の痩せたい気持ちを行動に移すのが病気を生んでいる。











■自分の疾患を自分で引き受けるために



家族関係と摂食障害の間に
「実際に家族関係があるかどうか」という事と、患者自身が「関係があると思ってしまう」こととは
また別の意味があると思っている。
だから、関係ない!と伝えたほうが良い場合もある。










参考文献:摂食障害の語り―「回復」の臨床社会学
作者: 中村英代
メーカー/出版社: 新曜社


摂食障害の語り―「回復」の臨床社会学

摂食障害の語り―「回復」の臨床社会学