食べ物と一緒に感情を排除している







吐き出す代わりに食べ過ぎちゃって
で、吐いちゃう感じ?



そうそう。きっと、言葉の代わりに。。



うちも身体的症状出てから
「あ、ストレスたまってたんだw」って気づく。
身体に現れないと分からないんだよね。



心を感じられない?みたいな


っていうより、自分の感情に疎いんだろうねー
周りには敏感なのにーw


そうだね。
周りばかりが気になって、
自分の心も感情も周り次第だった。
自分が居なかった。
不機嫌にさせちゃうのが嫌だった。
周りが怖かった。




うん。いつから?

症状はね高3まで持ったよ。
周り、というか他人の気持ちが気になりすぎ始めたのは。
中2までは、けっこうハツラツ系の男の子だったんだけどね
なんか、中2のある瞬間から、世界が敵になったの。



敵かぁ。
なんか世界が変わっちゃうってのはうちもあるかな。





それで、あまりにも人を気にするようになって
とにかく嫌われないようにしなきゃって必死になったの。
最初のほうは心が締め付けられるような痛みがあったけど
だんだんと何も感じなくなった。
息苦しいなぁっていう感覚はあったけど
それがどこから由来しているのか、もう分からなかった。



それって心をストップさせることで
守ってたんでしょ?心を。



うん、きっとね。
今思い返すと、心が止まってた。
きっと、ただせさえもともとHSP(感受性が強い)っていうか
気にしいだから、心が自分を守ろうとしたんだと思う。




それで、過剰適応でストレスのはけ口が
食べ物になっちゃったんだ。



そうだねー。人間を諦めた?人が自分を救ってくれるとは
思えなかった。

あーなんかわかる!
言葉とか思いが通じないって
もう、いいやって感じ




なんかねー
感情が言葉で外に出てくれれば心も軽くなるのになぁーって感じ




重たくなっていくんだよね。
心も身体も外に出て行かなかった嫌なもので
どんどん重くなる。

うん。
感情とか言葉とかって外側に出てくると重量なんてないはずだけど
身体の中に残ると重くて不調に繋がる。






以上、Aさん(20代前半女性、通院暦5年、適応障害)との
やりとり(チャット)の部分抜粋


















過食嘔吐は決して
痩せたい願望がメインの行為ではない。



副産物として痩せるという結果を得られるかもしれないが
自分を破壊してまで得ようとしている本質的な目的ではない。


それは、痩せ願望が無くなり体重増加を受け入れてもなお
習慣性過食嘔吐が抜けない患者としての実感から、分かる。










■吐き出されているのはネガティビティ



じゃあ本質的には
何を求めているのかと言うと
抱えきれなくなった情緒を外側に排泄してしまいたいという
思いがあって、それを行動化しているのだと思う。


心からこぼれたネガティブさが内部に滞留してよくない状況を生み出すことを未然に防ぐ防衛機制であると思われる。





心で抱えきれなくなった情緒は本来、
言葉とか音楽とか絵画とか、そういった表現によって外側に放出され
心のバランスを保っているのだが、そういった健全な表現方法を持てていなかった場合に自虐的な行動で内部から解放しようとする


それがリストカット過食嘔吐のような
自傷行為なのではないだろうか。






嫌な情緒を内側に置いておくのは
あまりにも苦痛で耐えられないので、無理やりに外側に排泄してしまうおうとする文字通り汚い行為。



端的に言えば
心で解消されずに表現としても外に出て行かなかった
感情から身を守るための自己防衛的自傷行為
なのである。


感情の代わりなんだって分かる。





それは例えば上記のやり取りにもあるように
言葉で発散されるべき場面でも”言語”をもてなかったために
内部に滞留してしまった。













過食嘔吐という罪を重ね、過食嘔吐で自分を罰する





おかしいって分かっている。
食べ物を自己破壊の道具に使っているのはキチガイ
客観的に自分を見たときに人間じゃない
って思う。



分かっているけど無理。



「これで最後。もうやらない。」



そんな風な決断は
何度でも壊されてきた。



我慢できない自分が自分でも嫌になる。



でも、耐えられないし、耐えられない自分と出会ってしまうと
余計にどうしようもなくなる。






どうしようもない自分を自分から切り離すために
過食嘔吐を活用
する。


嫌な自分を心で抱えきれなくなると
食べ物と一緒に吐き出してしまいたくなる。



















■自分で自分を裏切ってきた。そんな自分が許せない





寂しさや怒りがあるのに、良い子のふりをして嘘をついてきた。
自分を押し殺してきたと思う。

そんな自分を自分でも許せないから、罪悪感を感じて
その罪悪感に押しつぶされそうになる。


生きていたくないといいながら、
いざ本当に息苦しくなるとそこから逃げたくなる。





罪悪感に押しつぶされないように、
罪悪感を感じている自分を自分から離すために

唯一持ててる方法が過食嘔吐




そんなおかしな方法しか持てない自分もまた、感じたくない。


そうやって何十にも罪を重ねる自分には
過食嘔吐をして罰しないといけない。
罰することでしか罪を犯した自分を許せない。




そして敵(食べ物)と一緒に嫌な感情(邪魔な存在)を自分から
切り離すことで、自分をリセットし自分がまだ生きていることを実感できる。


だから、過食嘔吐を止めろと言われることは
罪悪感にひれ伏せ、つまり死ねといっているのと同じです。







心的苦痛が全身を駆け巡り
頭痛や胃痛など身体症状として現れる。


身体の脆弱性があり
全身で耐えるのが面倒なので
ネガティビティを自分の内部で消化しないで
食べ物と一緒に排除することで
苦しみを味わうことを回避している。


内側で嫌な勘定を味わう痛みより
嘔吐での痛みの方が(当座は)楽だしダメージが少なく楽になれるのだ。










■希望的経過





過食嘔吐以外に
自分のバランスをとれる方法が見つかれば
そっちに移行できるはず。


健全に外に出て行かないから
過食嘔吐は手放させない。


言えないから癒えない。