拒食症と健全なダイエットの違い

健全なダイエットは「こだわり」の領域。

言葉にしてみると
「痩せたい、痩せられたらいいな」という柔らかい感じ.






一方で、
拒食傾向にある人はダイエットに「とらわれる」






どれだけ気分が乗らなかったり体調が悪かったりしても
痩せようとする行動を止められない。
例えば、夜遅くまで働いて明日も早いのに深夜のランニングを
やらないと不安で不安で仕方ない、と言った感じ。






「痩せなきゃいけない、痩せないと価値がなくなる」





日常に悪影響を与えると分かっているのに自分を制止できない。
失コントロール




やめたくても、やめられない。


まさにダイエット依存症。






拒食症とは
ダイエット依存症と呼ぶ事が出来るのではないか。














■痩せることに依存する





過度なダイエット(からの摂食障害)を
依存症と考えると理解がスムーズになる。


アルコールに依存する
アルコール依存症の構造と過度なダイエット願望は良く似ている。







アルコール依存症は最初、
アルコールを使って現実を忘れてしまいたい、
クサクサした気持ちから解放されたいという誰もが抱く気持ちで
アルコールを飲む。



それを続けていくうちにいつの間にか
飲む為に飲む、という依存にはまっていく。










痩せる事にも同じような事が言える。





ちょっとしたダイエットを、ふとした時に開始する。
痩せろという社会背景もあって、
誰もが日常的にダイエットをしなきゃとは
少なからず思っている。



そしてダイエットが成功する。




痩せる事でスリムなってアピールできるし、
痩せられた事で
自分に自信も持てる。


もっと痩せたいという気持ちが芽生える。


そこそこのダイエットの成功具合では満足できず、
痩せてスリムになるという当初の目標は頭から抜け落ち、
痩せる事、体重が減っていくことだけにアディクトしていく。



やめようと思っても
痩せる事への快感と
太ってしまう事への恐怖から辞められなくなる。


そして、ある人は摂食障害傾向が強くなってしまうだろう。



気付いたら
痩せる為に痩せるようになる。
痩せている自分や痩せようとしている状態を味わう為に
動くようになり自信を持ちたいとかダイエットとか関係無しに
痩せる為に痩せるようになる。










これは二つの見極める為に結構重要な事。


ダイエットの場合は外側に向けたアピールという意味合いを
強く含んでいるが
拒食症は自分の内側の世界の為に痩せようとしているのだ。




痩せは決して異性をひきつけるためのものではない。
これが普通のダイエットとの違い。
目的のあるダイエットと
拒食症の大きな違いだろう。


最初は良く見られたいという思いもあったかもしれない。


しかし気付いたら
痩せて服を着たい、スリムになりたい、っていうのは、
痩せ行動とは無関係になっていて、
ただただ、
痩せるためだけに痩せる。



「痩せる事に没頭し始めたら、異性に関心がなくなり、
 自分が痩せているかどうかというそれだけに自分の気持ちの全てが
 向いてしまう」




まさに痩せる為に痩せる。




体重を管理している快感、痩せる事そのものへの陶酔感といったもののための
ダイエットになっている。


彼氏の為に痩せなきゃ…って言っている女性は
たいていの場合、彼氏が痩せて欲しいなんて言っていないのに
「彼の為に」という大義名分を作っているが、全ては自己満足の為に
過剰なダイエットを貫いていると考えられる。









そう考えると、ダイエット依存はプロセス依存の分類されるかもしれない。

買いたいものが欲しいのではなく
買う行為そのものに依存しているプロセス依存と似ている。





その一方で、
食べ物を食べる事への快感にハマって
(食べることが好きな人との境目は難しいが)いるという意味では
チョコレート依存とかタバコ依存とかっていう物質依存の面が過食症にはあると言えるだろう。