飴が教えてくれること






雨が降っていると安心する。
安心という潤いを与えてくれるのだ











カンカン照りの日であれば、
外に出ていなければ失格者の烙印により色濃く
押されているような気になるから。




雨は世界から歓迎される橋渡しをしてくれているような気がするのだ。
なんだろう、アンバランスで視界が不明瞭だから
皆の姿と言うか存在が雨に溶けているから、
自分の薄さを少し感じなくて済むからなのかもしれない。





本当は精神病は雨の様に
命を守るために出現してくれてるんだよね




限界まで頑張れちゃう人たちだからこそ
そうならないように、ブレーキ役として現れて危険を示唆してくれている。




人生に雨が降っているのだから
おとなしく休みなさいよ、外に出なくて良いのよ!



って優しく自分の状態を教えてくれるのが
雨という名の精神疾患なんだよね。




多くの場合、雨(辛い状況)だといっても傘差して無理して
突っ走ってしまうことのほうが多いんだけどね。




雨の示唆を無視して走るから
ボロボロになってしまうのに…。













闘病、療養が長きに渡ると
それを周りの人たちに理解してもらうことは
かなり困難を極める作業になる。





厳しい社会と闘って、なんとか自分の生活を保っている人たちには
わからないだろうし、楽して暮らせていいですなぁなんて皮肉を言いたくなるのは
十分分かっているが、社会で頑張りたいと思っている人間にとって
その活躍した居場所で能力以前の問題で活躍する権利すら与えられないというのは
これはこれで、結構こたえるんだよね。


甘えてるだけ、根性が足りないって言われても仕方ないけれど
背中から力が抜けていく感覚は味わったものにしかわからないよね。
心が壊れると、身体も壊れるんですよね。
でも、壊れたってみとめたくないじゃん?



だって、周りの人たちは生き生きと自分の可能性に挑戦したり
仲間との楽しい時間を過ごしているのをわき目に自分だけが
そういう場にいけないなんて悔しいじゃん。目を逸らしたい事実だよね。



それでね、社会で揉まれている人なら分かるかなと思うのですが
疲れって、マヒさせることができるんですよね。

疲れを、もっと大きな疲れを与えることで自分をマヒさせて誤魔化して
そうしてだましだましに前に進んでいくことって、できる時期があるんですよね。

ただ、そういう風に自分の限界を続ける疲労を与え続けていると
いつかは限界がくるんですよね。それは心が先なのか身体が先なのか
それは個人によって違うのだろうけれど

そういう時期が過ぎればいままで気力でも足せていたものは
脆くも崩れ去り、一気にシボみ、自分を動かせなくなってしまうのです。


周りに後れを取りたくないって、自分のペース以上のピッチで走り続け
自分の疲労や心の声を無視し続けていられる時間が終わってしまい
エネルギーがなくなってしまえば、あとは崩れていくだけだ。


ただ、そうして壊れて限界が来たからと言って
ゆっくり休んで回復に努めよう!という心持ちにならないのが
頑張っちゃう人の特徴でもあるんですよね。

何をするかって言うと、まだまだ限界じゃない、たまたま疲れていただけ
自分だけ乗り遅れてたまるかよ!って、また遅れを取らないように走りだすんですよね。
ボロボロの身体のままで。
ガソリンの無いままで。

もっといえば、身体に穴が空いてて、ガソリンは溜まっていかない状態になっているから
休んでも休んでも、全然疲れは抜けないし回復しない。



だから、限界を突破することが美学みたいな人たちが最初にしなきゃいけないのは
自分が限界だと認めること。そして車体に穴が空いていて、エネルギー充電ができない
状態になっているのだから、しっかり立ち止まって、
その穴をふさぐ作業をするということなんだ。

穴の開いたバケツに水を貯めようとしても、
全然溜まっていかないのと一緒で、
問題なのは入れる水の量じゃなくて
穴が空いてるから溜まらないのであって
そこの穴を塞ぐ事からしか、本当の回復は始まらない。

どんなに水圧を上げて、入れる水の量を増やそうとも
穴が空いている状態では水は満タンにならないんだ。




限界認めて、歩み止めて、
エネルギーたまらない自分を感じて、穴を塞ぐこと。



そうやって穴を修理したあとで
ゆっくりと水というエネルギーを補充し、回復していくわけだけど
穴が空いていることを自分が認めることが一番時間が掛かる気がする。



自分に欠陥があることを認めるなんて、
周りとの競争についていけないって
敗北を認めるようなものだから…。




気づいて、築いていく。
それこそ、回復の正しい手順なんだよね。



自分を認めなければ走り続けられる時期もあるけど
加速度的に自分が削れていくだけだ。