百考は一行にしかず



百聞は一見にしかず。には続きがある。



百考は一行にしかず。








情報化社会で情報は溢れているが実感が伴っていない。
形の悪い農作物は食べたくない、邪魔になったペットは処分場に
持って行けば、それで完了。








実体験に触れないことで、私達の心はどんどん貧しくなっていっているのではないだろうか。
痛みが分からずして他人に優しく出来るわけが無い。










プロセスを無視して結果、実力、成果主義で世界が動いていくと、
金銭的には豊かになっていくのかもしれないが、
必ずしも人生の幸せを送れているとは限らない。







むしろ、健康を損ない、自分を失ってしまう人が増えている。
そして、競争に勝っている人も、終わる事の無い商業活動に
常に晒されて、何も感じなくなるくらいに仕事に溺れていく。








結果が出れば全てが報われるって言うのは間違いないだろう。
結果ほど分かりやすい形はない。




ただ、そろそろ、「形のない幸せ」を感じられる力を
身につけていかないといけない時期なのではないだろうか。






財産とは何なのか。
豊かさってのは金銭的なものなのか。









現状の日本を見る限り
、みんなが幸せを感じにくい時代になっている気がする。
常に競争をしているから、人は信じられない、やすらげない。




人とかかわれないから心が貧しくなって、病気、あるいは
生きてる心地のしない日々を送る。





そして、余裕のない親たちに育てられた子供は、
子供らしさを失ったまま大人になり、
未消化な発達課題を抱えて社会に出るから、うまく仕事が続かずに
社会から疎外されてしまい、自分に自信をなくして、
ダメな自分だって塞ぎ込んで孤独になっていく。









豊かになろうと、成果を求めた先には、
いつのまにか、不幸を生み出す結末が残っているのではないだろうか



経済的勝者しか幸せになれない、というような
過剰な競争を煽るのは、もうやめる。




それぞれが自分の主体性を持った価値観でもって、
幸せを感じることを許す、
つまり、多様性をいい加減に認められる社会になってもいいのではないだろうか。



みんなが、均一に経済的成功を目指す社会は
不幸を生むだけなのではないだろうか。