痩せたら愛される?







摂食障害につながる精神疾患のきっかけは
先天的か後天的か、感受性か環境か、
何かの不具合が影響して対人関係を築くのが困難になってしまう
因子には本当に色々あると思います。
















特にこれといった出来事が思い出せないという方もいらっしゃいます。
恐らく思い出せないんじゃなくて
思い出そうにも自分でも知らないうちになかったことにして
自分を守ろうとしているんだと思う。











起こった事実を認めてしまうと、
現実が辛すぎて生きていけないから。











人の顔色ばかりを伺いながら育った人は、
「自分はどんなことで喜びを感じ、またその逆を感じているのか?」ということがさっぱりわからなくなってしまいます。



自分がわからなければ、
自分で自分を満たしてあげることはできません。







自分で自分を満たせないから、人の評価や、
それが得られる結果や数字など、
自分以外の何かに頼って空虚感を満たそうとしているのです。













自分の本当の気持ちがわからないというのは大きな恐怖です。
この恐怖が不安を発生させるのです。
「わけのわからない不安」「漠然とした不安」という悩みの大部分が、
この自分の気持ちがわからない不安なのです。














自分の感情や願望がわからなくなることほど怖いことはありません。
ハンドルの壊れてたクルマと同じです。
自分でもどこに行くのかわからない状態です























心が満たされていないから
食べ物でなんとか、心を埋めようとするんだけれど、
周りの人から愛されていない自分がいるから
心が満たされていない。




皆から認められて満たされるためには、
痩せてる自分でなければいけない。
食べ過ぎてしまっては、
痩せて愛される自分からは遠ざかってしまう。






だから、
嘔吐することで食べ過ぎた分を無かったことにしてしまう。






でもそんな間違った方法を取っている自分に落ち込む結果になり
また、心に穴が空いてしまい、心を満たしたいという欲求が強くなる。




けれども、
人は簡単に認めてくれないから食べ物に走ってしまい……



という悪循環に陥ってしまう。











そしてそのうち、痩せたい自分を邪魔するものとして
正当な食欲を持つことさえも嫌悪して
罪悪感を持つようになってしまう。





食欲なって動物として生きている限り
当たり前にあるべきものなのに。













食べて吐かなきゃいけないほど、気持ちが爆発しそうならば
言葉にして伝えてみる。



そして、言葉で伝えることができたり、
相手に伝わったと思えたりするのは
まさに苦痛なんか無いよね。




言葉受け容れてもらえた、という、なんともいえない穏やかな安心感を
得ることが出来るはずです。











過食嘔吐は、言葉にならない言葉の代わりなんですよね。
だから、言葉にして表現する、という武器が手に入っちゃえば
過食嘔吐は用済み。












だって、言葉のほうが扱いやすいし痛みや副作用だって
毎日嘔吐するダメージにくらべたら、はるかに少なくて済む。







何よりも辛いのは、


「痩せてる自分でなければ何の価値もない」


という思いに支配されていることだ。








実際、経験から考えてみると、過食嘔吐に一日中支配されてる時には
全く気づけなかったけれど、過食嘔吐するのは自分が誰からも歓迎されていない
仲良くしてもらえていない!という悲しみがあったからだと思う。

食べ物を食べて吐くことと人間関係が上手くいかないことが
関係あるわけ無いじゃん、何言ってるの!?って思う方も
たくさんいらっしゃるかもしれませんが、

じっくり自分と向き合って、過食に走ってしまう自分の気持ちを分析してみると
周りの人たちに認めてもらっていない空しい自分だから、
過食嘔吐をしてしまっているのだなって思えました。


そこで悩むわけです。
僕の、どこが悪いんだろう?
何がダメだから誰からも仲良くしてもらえないんだろう?


って。

それで、今でこそコミュニケーションの方法がマズかったんだって
わかりますけれど、高校生時分に、自分の聞き方、伝え方が相手に不快感を
与えているから、人間関係がうまくいかないなんて、思いもしません。


そして、わかりやすい見た目が悪い!太ってるから相手にされないんだ!!
痩せればみんなに評価してもらえる!!!みたいな完全に間違った方向に行ってしまって
過食嘔吐が始まるのです。


その時は痩せれば仲良くしてもらえるって本気で思っているのですが
人の評価なんて、体型じゃあ上がりもしないし下がりもしないんですけどね。


ただ自分の内面を愛してもらうわけでも無くても、
外面だけでもいいから人気者になりたい、認められたい、っていう
とにかく誰でも良いから側にいて、みたいな心境になってくると
痩せてて人気がある芸能人みたいな見た目になれば、みんなから
愛される!って思っちゃうんですよね。・


いつの間にか、痩せて認めてもらうつもりだったのに

痩せていくことだけが目標になっちゃう。




ただ、痩せたところで人気者になれたり
仲間が増えるかって言ったら
そんなことはない。

むしろ、イライラしたり疲れやすくなったり痩せることだけに集中してるから
人付き合いが億劫になっていき、むしろ仲間なんて減って行った様な気がする。






とにかく、芸能人は皆痩せている。
だから痩せれば人気が出るはず!って痩せてる自分になるろうとするけれど
そんなことしたって全然満たされないって、自分でもわかってくるんだよね、うすうす。





本当に外見とか関係ない、
ありのままの自分を認め愛してもらいたいってのが
自分の心の願いなんだって。








けど、そうわかったとしても
痩せたいという気持ちと考え方を止めることができないのが
摂食障害なんだと思う。






理屈では痩せても誰も評価してくれないし
自分の心は満たされないと分かっていても
それでも、脳みその中心では
「痩せれば愛される」って繰り返し繰り返し思っていて
愛を感じず満たされないという感覚が増せば増すほどに
そういう空しい感情を感じないために、痩せたら愛されるという呪文を
途切れることなく言い聞かせている状態が摂食障害なんだ。






ただ、愛されたかった気持ちなのに
いつのまにか、痩せること、そのことだけが目的になってしまい
痩せなければ愛されないという考え方に何年にも渡って縛られ
たくさんのものを犠牲にしてしまうのです。






痩せたって、満たされないんだよね。
本当は、摂食障害なんかになる前に気づくべきなんだけどね。